THEME 2023 “Community”

THEME 2023 “Community”

Campaign Image MONO JAPAN 2023
©Art Direction by
Masaya Takeda, Photography by Junya Igarashi, Flower by Tachibana

2023年出展者「モリタ」ブース風景。2023年度は23組の出展者が展示を行いました。

2023年度に実施されたハンコ作りワークショップ風景


2016年に始まったMONO JAPANの展示・即売会も、今年で6回目を迎えます。コロナ禍を明けて昨年ようやく開催された第5回目は、再び大勢の人々の出会いの場となり、喜びに満ち溢れる会となりました。過去の展示会以来ファンとして再開を心待ちにしてくださっていた方々や、過去のイベントに関わってくださった方々、かつて会場として展示会を支えてくださったロイドホテルの関係者の方々、そして3年ぶりに出会えた日本からの出展者の皆様。私たちのイベントは、知らぬ間に日本とオランダを跨いで、多くの人々をつなぐ役割を担っていることに気付かされました。

日本の商品を愛する方々の中でも、現代的な良品を求める方から、日本らしい商品または伝統的な商品に魅力を感じる方まで、好みはそれぞれです。またご来場者の中で、日本の伝統的なものづくりや職人技、素材などに興味がある、それらを学びたいという方々も少なくありません。クリエイターがこの展示・即売会に多く来場する理由も、現代的なものであれ伝統的なものであれ、何かとても日本らしい魅力をもつ商品やアクティビティーに出会うことができるからではないでしょうか。

3日間にわたり日本の美に浸る空間を提供するMONO JAPANというプラットフォームは、運営者や出展者、ご来場のお客様、そして国内外のファンの皆様など、あらゆる方面から確かな磁力で人々を惹きつけ、一つのコミュニティーを育んでいます。そして私たちもまた、そのコミュニティーに支えられています。

今回のMONO JAPANでは「コミュニティー」をテーマに、ヒトとモノの結びつきにスポットを当てた展示・即売会を開催します。今までの、そしてこれからの時代のものづくりにおけるコミュニティーの役割について考えながら、新たなモノや体験に出会えるイベントとなっています。

ものづくりのためのオンラインプラットフォーム

コロナ禍で海外渡航が不可能になったことをきっかけに、MONO JAPANはオンラインで継続可能な日蘭間の事業やその方法を必死で模索してきました。その結果、今年5月にオンラインプラットフォームMONO MAKERS MEET(以下MMM)が晴れて始動しました。これは私たちが過去の日蘭協業事業の経験を活かして作り上げた、オランダのクリエイティブ業界の方々と日本の多様なものづくりの事業者の方々の出会いのためのコミュニティー空間です。2023年のMONO JAPAN展示・即売会は、このMMMのコミュニティーメンバーが実際に対面できる場となります。

MMMで出会い、協業に取り組む1組の日蘭協業ペアによるプレゼンテーションや、MMMメンバーのネットワークイベントなども企画されています。

地方でのコミュニティーづくり、日本の事例を紹介

日本では特に地方における高齢化が進み、伝統工芸を含む伝統文化を生業とする人材が激減し、大きな課題となっています。そんな時代だからこそ、若い世代や地方行政など、大勢の人々が地方での新しいコミュニティーづくりや伝統文化継承の方法を真剣に模索しています。トークイベントでは地方での新しいコミュニティーの作り手をお招きし、お話を伺います。

ものづくりのマスタークラス

会場では日本の伝統文化や伝統技術、伝統素材などを各専門家から学び体験できる、特別なデモンストレーションやワークショップが一堂に集まります。日本の伝統工芸にかけられる多くの手間隙に疑問をもつ方も少なくないですが、これらの伝統には多くの知恵や、作ることに対する愛が詰まっています。こんなに便利になった時代だからこそ、しっかりと手間や時間をかけ、自分で何かを作ったり手入れをすることは、私たちを幸せにしてくれるのではないでしょうか。

生花(華道)や茶道のように、日本では「道」とつく名の伝統文化があります。花を生けることや茶の湯は、終わりのない道であると日本では理解され、この道に従って稽古を重ねる流派が日本には多く存在しています。これらもまた、志を同じくした人々のコミュニティーを形成しています。

今回のMONO JAPANでは華道や茶道のマスターたちをお招きし、それぞれの歩んできた道について、そしてその先にあるものについてなど、彼らの知見に触れられる機会となっています。

オランダで成長中の日本食コミュニティー

誰にとっても身近なものである「食」ですが、分け合うこと、体験を共有することを通し、食は自然に人と人をつなぎます。オランダでも和食ファンによる新たなコミュニティがSNSなどで形成され、レベルの高い日本食を扱うお店も続々と増えています。また和食に対する理解や知識も、その人気と同時にオランダ人の間で少しずつ高まっているようです。

会場には飲食エリアが設けられ、お茶やお寿司、お酒など、オランダで和食や日本製品を扱う起業家が集まります。世界に誇る日本の味を、ぜひその背景にあるストーリーと共にご堪能ください。

MONO JAPAN 2023 展示・即売会

開催日程:2023年9月15日(金)〜17日(日)
会場:LOODS6(オランダ、アムステルダム、住所 KNSM-Laan 289)
開催アーカイブはこちらをご覧ください。

オープニング・レセプションでは北海水産によるフィンガーフードをゲストにご提供

MONO JAPAN 2023 出展者一覧

  • acoya

    acoyaは1300年以上の歴史をもつ長崎大村湾、別名「琴の海」のあこや真珠を使い、ジュエリーや、あこや真珠貝にまつわる作品をてがけるブランドです。

    acoya は真珠を、私達と同じ海から生まれた命のメタファーと考えます。命は様々な輝き、色、形があり、真円の真珠だけではありません。この海から生まれたばかりの、調色をしないあこや真珠の活き活きとした美しさや形を活かしています。

    生命・環境などの視点をもちながら、長崎 ・琴の海(大村湾)で生まれた、着色を一切しないひとつひとつが違う美しさのあこや真珠を、オランダ、日本を拠点とした世界のクリエーターとともに世界に伝えます。

  • AISHITERU

    世界のジーンズマニアを虜にする人気デニムブランド「桃太郎ジーンズ」。ブランド創業者であり、海外でIndigo Kingと称され藍染作家RAMPOとしても活躍するHisao Manabeの藍に魅せられた深い愛の世界。

    Hisao Manabeがプロデュースするブランド「AISHITERU」では、永遠のLOVEをテーマに、藍の奥深い魅力を表現する商品をはじめ、言葉で伝えられないAISHITERUワールドを発信して参ります。時代にとらわれないモノづくり、普遍的で永く愛用してもらえるこだわりの逸品をお楽しみください。

  • アリマノ

    ALIMANOは、三重の中央に位置する山あいの里「有間野」の美しい自然にインスパイアされて誕生したジュエリーブランド。作家の故郷の地であり、すべてのクリエーションの源はこの地から生まれています。壮大で力強く、時に厳しく、けれど、優しくたおやか。そんな自然の中に秘められた美の法則を、都会的な幾何学的形状のデザインの中に落とし込みました。その凛々しくもおおらかな存在感をたたえながら、洗練と艶をまとわせたジュエリー。

  • COQ KANAKO KAJIHARA

    「クリエイションを呼吸する場所」として、COQは生まれました。ブランド名には、心身が心地よく「呼吸」していくという意味が込められています。

    COQのクリエイションは、ディレクターであるテキスタイルデザイナー梶原加奈子の故郷、北海道の自然から生まれています。さらに衣食住を通して自然と共存するエシカルライフスタイルを発信していくため、環境に配慮したモノづくりに力を入れています。

  • 原田晶光堂

    MONO JAPANに2度目の出展となる原田晶光堂は、100年以上にわたり、ハンコを作る職人や商材を製造するメーカー、そして小売店をつなぐ役割を担っています。近年は、ハンコを“自身のロゴマークでありアイデンティティーである”と位置付け、その魅力を世界中に発信しています。

  • Japanesque Medell

    Japanesque Medellは日本の伝統衣装である着物に新しいカタチで再び伊吹を吹き込み、後世に繋いでいく活動をしています。伝統的な技術で生み出された美しい着物の柄や絹の手ざわりを、日常で楽しめる商品に生まれ変わらせます。

  • KADO PRESS / 鍛月

    kuli-kuliは、神戸に拠点を構えるデザインスタジオです。最近は、地域に密着した取り組みやサステナビリティを重視したプロジェクトに力を注いでいます。地元の産業や沖縄のサンゴ、島根のたたら文化など、多様なテーマをデザインの対象として扱い、地域の特徴や文化を大切にしながら、サステナブルな視点からも作品を創り出しています。Kokuyo design Awardグランプリ、SaloneSatellite. Award The first prizeほか多数受賞。

  • KYO-TO-TO

    「京東都(きょうとうと)」は、ニッポンの伝統=「京都」とニッポンの今 =「東京」を掛け合わせたブランドネーム。 京都の刺繍工房が、新しい文化継承のかたち・刺繍の可能性を考える「京都発、東京経由~世界行き。」の、刺繍ブランドです。日本文化、アート、伝統行事、動植物に着想を得たファッション小物や生活雑貨などの刺繍シリーズを手がけています。

  • 京都烏丸六七堂

    ニッポンの四季や風習をモチーフに、貼り絵の手法を使い表現する新しい和文具ブランド『京都烏丸六七堂』(きょうとからすまろくひちどう)。紙を愛し、紙で楽しみ、紙の未来を考えるブランドです。人と人とをつなぐ「紙」、思いを伝え続ける「紙」だからこそ、できるモノとカタチ。

    明治45年より古都・京都で様々なニーズに応え続けてきた上村紙が、長年培った経験と技術、伝統をベースに、紙の未来のかたちを提案します。メインアイテムは、ニッポン独自の紙「和紙」の文具たち。日本人が古くから親しんだ、先人たちの創意と技の伝承「和紙」に、現代的な感覚とエッセンスを加えました。紙の風合い、紙の色彩、紙の形が織りなす、日常生活に豊かさを加える新しい和文具です。

  • LOCAL CRAFT JAPAN

    工芸だけが知る、まだ知らない日本へ。

    いわゆる観光地ではありませんが、使い込まれた職人の道具が美しく並ぶ工場、土や木を工芸へと変えてゆく精緻な技、歴史ある街並みや四季表情を変える自然があります。

    ここはクラフトが生まれる場所。

    普段は入ることができないものづくりの現場のドアを開け、職人と話をし、気の向くままに街を歩いてみてください。そうすると、たった1日の旅であっても、今日に辿り着くための365日や、さらに遡る100年、この先の100年まで、旅した気持ちになれることでしょう。

  • 木彫前田工房

    祭り好き、だんじり好きが高じてだんじり職人になった、株式会社木彫前田工房の前田暁彦氏。10年にわたる木彫り修行を経て2008年に独立し、精緻を極めた木彫りの美しさと魅力をより多くの人に広めようと、さまざまな木彫り彫刻に取り組んできました。

    拠点を大阪市北区の大阪天満宮前に移した前田氏は、伝統工芸を守ろうと考える人たちとのつながりを広げ、木彫りを活かす新しい仕事を次々に開拓しています。

    「木彫りの可能性は無限なり」を社訓とする前田氏は、現在ヨーロッパやアメリカを舞台に、木彫りの可能性拡大に向け、新たなチャレンジを続けています。

  • モリタ

    モリタは、1932年創業の紙箱・パッケージ・紙製品の製造会社です。機械加工と手加工をミックスしたオリジナリティのある製品づくりを行います。Ⅴカットボックスは世界でも希少な製法の紙箱で、丈夫さと高級感を表現できるデザイン性が特徴です。その特徴を活かし、パッケージとして使用後に小物入れとしてリユースできるパッケージ製品の提案が可能。また、再生紙を積極的に使用しています。ボックスパッケージ、ギフトボックスの他、自社技術とデザインを活かしたオリジナル収納雑貨(ペン立て)もリリースしています。

  • MUJUN

    MUJUNは、 伝統工芸産業が現在も息づく日本の地方に暮らし、活動するデザイン・工芸集団です。刃物づくりを専門とするデザイナーおよび若い職人が集まっています。

    現在はものづくりの自給率を上げるために、里山再生に奮闘しています。山では、木と向き合い、土中環境や風や水の流れをデザインしています。

  • NISHIGUCHI KUTSUSHITA

    はくひとおもい

    NISHIGUCHI KUTSUSHITAは1950年から靴下づくりをつづける、日本のファクトリー

    生まれの靴下ブランドです。履く人のことを真面目に考えてつくること。「はくひとおもい」という言葉に込めた想いが、私たち靴下づくりの原点です。

    良質な天然素材、新旧マシンを生かした編み方、時代にとらわれないデザイン、そして価格。一つ一つのこだわりは、すべて履く人のためを追求した答えです。

    トレンドだけを追い求めるのではなく、長く愛用できる定番をつくり続けます。

  • OKURU

    2017年に、子どもを持つ家族向けのフォトギフトサービスとしてOKURUは誕生しました。

    家族のみなさまから預かった大切な想い出、笑顔、感謝のきもちの詰まった写真を、世界にひとつだけの贈りものにとしてお届けしています。贈られた人も手に取るたびに、笑顔あふれる生活を送っていただけるよう、そして未来の子どもたちのために環境や地球にも配慮した商品やサービスを目指しています。

  • Onland

    文化をめぐる、産地の旅
    ジャパンクラフトツアーズ「オンランド」。

    日本の文化を支えてきた鋭い感性と細やかな技巧。それは、職人によるものづくりの中に多く見て取ることができます。

    文化の土台を生み出す、ものづくりの現場をもっと旅することができたなら。そして、この豊かな文化を世界へ、次世代へとつないでいけたなら。

    そんな想いから、Onlandは生まれています。

  • POLS

    「POLS(ポルス)」は、創業1901年の先染め織物メーカー「丸萬」(兵庫・西脇市)と、テキスタイルデザイナー梶原加奈子とのコラボレーションにより、2015年に誕生したテキスタイル製品ブランドです。

    丸萬の得意とする「先染め」と呼ばれる染色技術は、糸を織る前ではなく、織る前に染めるというもの。 100年以上かけて豊富な経験と知識を培ってきた織物メーカーのオリジナルブランドとして、POLSは身近でモダンなテキスタイルの美しさを伝えながら、新しい芸術作品を生み出すことを目指しています。

  • ショウ セン + 中正紙工

    東京造形大学卒業生のショウ・セン氏は、日常生活の中で「ごみ」になってしまうような削りかす、廃材、古い服などを紙に漉き込むことで、今までにない新たな和紙を作り出しています。紙の風合いは混ぜるものによって変化し、素材の匂いとともに、豊かな感覚が情報として紙に加えられます。和紙の長い繊維と強い靱性の特徴を利用して、さまざまな素材を混ぜた紙を展示することで、和紙の多くの可能性を示すことができるとショウ・セン氏は考えます。

  • SUKIMONO

    SUKIMONOは、海と山にはさまれた小さな田舎町で建築業・製造業・宿泊業の3本の柱を通して地域の自然体を作り続けている、ものづくり・ことづくりの会社です。

    東京から車で12時間の島根県江津市には、空き家や古いもの、土や木材、広い土地など、都会にはない素材と環境があります。そしてファッションを学んだ人、大工から家具職人になった人、旅好きが高じて宿に携わる人など、個性豊かなつくり手が集います。

    SUKIMONOは素材と人の個性を掛けあわせ、生活が自然と楽しくなるような愛着と趣あふれる暮らしを提案します。

  • Toki Yuite <時 結ひて>

    Toki Yuite「時を結う」

    結ぶでもなく紡ぐでもない、柔らかく形がまとまりながらも

    変化する事が出来る「結う」という美しい形を大切にしています。

    そしてトキはあらゆるヒト・モノ・コトを捉えています。

    時代を超えて、国を超えて、美しいもの、残すべき尊き文化や技術、そこに込められた想いまでギフトという形で結ひていく。それがToki Yuiteの使命です。

  • TOKU

    TOKUは地域資源としての「空家」に着目し、日本の地域を元気にする仕事をしています。

    日本では、空家が年々増加し社会問題となっていますが、島根県の空家は、その多くが現在では入手できない木材を使ったハイグレードな質の古民家です。TOKUは、空家が解体されたり、自然に朽ちるのを待つのではなく、海外への移築や海外資本による活用可能性を模索しています。

    彼らの事業の大きな目的は、モノとしての建築を産み出す背景にある伝統文化や技術を継承する仕組みをつくることです。

  • Transcape SUPPLY

    トランスケープ・サプライは、アムステルダムを拠点とし、高品質でユニークな日本のデザインプロダクトを輸入・卸販売しています。現在主にSmall Factory Ring / Tazoeを取り扱っています。

    Small Factory Ringは、機械産業品向けに金属の精密加工生産をする町工場の技術をヒントに、現代美術作家である田添かおり氏がジェンダーニュートラルなジュエリーコレクションとして企画・デザインしたものです。

    ネジでベースのリング部分と装飾となるヘッド部分を組み合わせる仕組みにより、何通りもカスタマイズを楽しめるのがデザインの根幹となっています。2014年の始動以降、定期的に新しい素材でのデザインを発表し続けており、現在では金属のみならず、パール、ヒスイ、ラピスラズリのヘッドも発売されています。

  • 渡文

    渡文は、京都・西陣で帯などを製造する西陣織の老舗として有名です。西陣帯の制作で培った技術を活かし、現代のライフスタイルに合わせた商品を生み出しています。1906年創業以来、伝統的な技術を大切にし、京都の伝統にふさわしい美しい手織りの織物を提供し続けています。